園だよりでご紹介したコラムをご紹介致します。少しでも、子育ての種になれればと思います・・・

指しゃぶり、トラブル、赤ちゃん返りなど、一見マイナスに見える子どもの癖や行為に対して、まずは「叱って」いませんか。

子どもも大人も、自分の思い通りにならない事態(問題)にぶつかると心が揺れ動き、混乱状態になります。これを「葛藤」と呼んでいます。「本当はこうしたい」「○○だったらいいのに」と願っていても、今の自分の力では叶わないことが沢山あります。目指したい姿に変わりたいと願って挑戦しても、そう簡単には変わらない自分の情けなさ、もどかしさを感じてしまうこともあります。大人から見ると気に掛かる子どもの癖や行為は、実は「どうして良いか分からなくて困っているの…」と迷い悩んでいる姿なのかもしれません。

この葛藤こそ、発達の原動力、発達の時々に表す当たり前の姿、次なる発達に向けての助走だと考えられないでしょうか。また、新しい家族が増えることも、その子にとって受け入れる心の成長の途中なのかもしれません。それも全部含めて、マイナス要素(問題)があればこそ、頑張る自分に変われるのだと思います。

ところが、すぐにはなかなかコントロールできず、悩み迷うのが人間です。その悩みに向き合う時間が必要です。だからこそ大人は「困っているんだね、何が困っているのかな?」と悩みを理解し共感しようとすることで、子どもの内面(心の理由)に対する関心が生まれます。

大事なことは、すぐに叱って子どもの葛藤を奪い取ることではなく、困っているときこそ、自分を支えてくれる人がいると感じ、その人を心の支えに乗り越えられるようにすることではないでしょうか。

いろんな育児書、雑誌がずらりと並んでいますが、必ず大切にしなければならないことは「あくまで一つの考え」ということにとどめましょう。また、翌年齢別に書いてありますが、その子に応じて必ずしも当てはまるとは限りません。3歳でも1歳児に見られることはもちろんあります。かといって、1歳の子なのに3歳児の様子があったり、いわゆる「マセ」ている姿も見られると思います。子どもの発達は、育児書に載っているすべての通りに現れているものではなく、様々なきっかけをもって現われています。そこで、これだけは見る目にとめて、子どもの発達の芽、心の芽を探してみましょう

 

子どもの行動をとらえるときに「大事な3つのこと

  1. 子どもの一面だけではなく、両面をみる
    「落ち着きがない」は、裏を返せば「好奇心が旺盛」ということ。ちょっと気になる一面をとらえるのではなく、行動の裏面も考えましょう。

 

  1. 目に見える姿だけが真実ではない
    子どもの行動には必ず理由があります。その行為の意味、心の理由を探しましょう。ただ行動をやめさせるだけでは逆効果です。

 

  1. 子どもだけの問題とせず、周りとのかかわりを考える
    子どもの問題行動は、周りの大人との関わりで起こされていることが多いようです。子育ては子どもと一緒に育ち合うことだということを忘れずに。

子どもが起こした行動は、どうして起こったのか。なぜ、そうしてしまったのか内面的な物を探ることができるのは、大人の力だけでしかできません。そして、その子が置かれている状況や私たち大人がどのように関わっているのかをきちんと把握してあげることが、解決への一歩であり「発達の目」「成長の芽」を見つけられるのだと思います。

最後に、「赤ちゃん返り」の時に大切にしなければならないことは「自己肯定感」をきちんと満たしてあげることです。自分は大切な存在なんだと感じる事をさしますが、これを幼児期から示してあげることが大切です。よく、赤ちゃん返りが見られると「もう○歳なんだから」とつい決めてしまいがちです。そうではなく、「あなたのことは、みんなが大好きだよ」と態度できちんと目を合わせて示してあげることの工夫をしてみましょう。

発達の芽はを丁寧に見つけていくと、子どもも大人も健やかに過ごしていくのだと思います。確かに、子ども達の行動はあれもこれもと大人がついて行くのは大変です。しかしながら、「今しかできない期間限定の大変さ」は子育てであると思いますので、成長を喜んでまいりましょう。

 

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